トレーニングアプリの「ERGモード」とは?

トレーニングアプリにある「ERGモード」とはなんでしょうか?ERGモードの仕組みと、使うメリットなどをご紹介します。

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ローラー台トレーニングとパワー(ワット)

通常、ローラー台で負荷(ワット数)を高めるには、

  1. ローラー台側の負荷を上げる
  2. バイクのギアを上げる

の二つの方法があります。同じギア比でもローラー台が重くなれば、当然同じケイデンスで回す際のワット数は上がります。逆に、ローラー台の負荷は同じ、ケイデンスも同じ場合でも、ギア比が高くなればワット数が上がります。

よく考えてみると、単純な法則です。

「ERGモード」は負荷を一定にする機能

トレーニングアプリの「ERGモード」は、目標に設定したワット数に合わせて、トレーナー側の負荷を自動で調整する機能です。負荷の調整をアプリに任せるため、スマートトレーナーの利用が必須となります。

「ERGモード」を使うと、スマートトレーナーは常に一定の負荷をかけ続けるので、バーチャルサイクリングなどで坂道パートになっても、設定したワット以上が出ないのでそれ以上はスピードが上がりません。

ある意味、クラシックタイプの固定ローラー台に近い挙動になります。

ERGモードの使い方

ERGモードは、スマートトレーナーが必須な機能ですが、スマートトレーナー側で設定するものではありません。あくまで「パワー管理をする」トレーニングアプリ側で行う機能です。

ERGモードの使い方はアプリによって異なります。例えば、ZwiftではERGモードはワークアウトでしか使えませんが、RGT Cyclingではセンサー設定からERGモードを設定すると、通常のライドでもアカウントで設定した自分のFTP値に自動調整されます。

このように、アプリによってERGモードの使い方が違うので、自分に合ったアプリで使うと良いでしょう。

ERGモードを使うと良いシーン

バイクのギアに限界がある場合

ローラー台トレーニングでのパワー値は、ギア比とケイデンスで決まります。

フロントダブルのロードバイクなどギア比のレンジが広いロードバイクでトレーニングをする場合は、概ね対応が可能ですが、フロントシングルなどのギア比の低いバイクでトレーニングをすると、指定のワットに上げるために極端に高いケイデンス数を保つ必要が出てきます。

ケイデンストレーニングではなく、パワートレーニングをしたい場合は、高負荷を継続することが大事なので、心拍が早くピークにきてしまうハイケイデンスにはしたくありません。

そういった場合は、ERGモードにすることで、ギア比の低いバイクでも高いパワートレーニングができます。

坂道の負荷が高すぎる場合

バーチャルサイクリングでは、コースによっては勾配が20%などのいわゆる激坂が設定されていることがあります。

スマートトレーナーでそうした激坂を登ろうとすると、トレーナーの負荷が高く、ホビーライダーの方ではそもそもペダルを回せないという現象が起こりますが、ERGモードではこれを回避することが可能です。

ERGモードなら勾配による負荷の調整は行われないので、ローラー台の負荷は常に設定された数値で一定です。反面、バーチャルサイクリング内ではパワーから算出されたスピードが減ってしまうので「重くはならないけど、遅くなる」ということになります。

ローラー台トレーニングの初心者の方で、バーチャルサイクリングの坂道コースで挫折していた方は、ERGモードを試してみると良いでしょう。

他のことをしながらバーチャルサイクリングをする場合

ローラー台トレーニングをしていると、ケイデンスを下げたい時やダンシングの練習をしたい時などにはシフトチェンジをする必要があります。パワーやスピードなどの数値だけをみてトレーニングをする場合は問題ないですが、バーチャルサイクリングを楽しむ場合は、コースに合わせてシフトチェンジが必須です。

バーチャルサイクリングをしながら、映画を見るなど他のことを一緒にやる場合は、コースにシフトチェンジが面倒になるので、ERGモードにして一定の負荷をかけ続けると楽です。

バーチャルサイクリングをしながら、他のことをする方は少ないかもしれませんが、こういった使い方も出来るということを覚えておくと良いでしょう。