Zwift Cog and Clickとは?メリット・デメリットと使える機種

シングルギアなのに仮想的に多段変速を実現するZwift Cog and Click。その特徴と、メリット・デメリットと使える機種を解説します。

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「Zwift Cog and Click」はZwiftで仮想シフトを実現するデバイス

Zwiftで使うことができる、14Tのシングルコグとスイッチを組み合わせることで仮想的にシフトチェンジを実装するデバイスです。

付属の「Zwift Click」というスイッチデバイスでZwiftアプリケーションに変速データを送信し、Zwiftアプリケーション内でギアの重さに合わせてスマートトレーナーの負荷を変更することで、仮想的に変速する仕組みです。Zwift内の設定だけでリア8〜12速変速環境を構築可能で、ギア構成は24プリセットがあり、それらから自由に選ぶことができます。

Zwift仮想シフトのメリット

Zwift仮想シフトのメリットは以下の点でしょう。

  1. 設定だけで様々な変速数、スプロケットを使用することができる
  2. 変速時に生じる騒音を0にできる
  3. 違う変速システムのバイクで使用できる

最大のメリットは、バイク自体の変速システム外のリア変速を使える点。例えば、8速のバイクフレームでZwift内でだけ12速化することも可能ですし、コースに合わせてクロスレシオなスプロケットにしたり、ヒルクライム時だけワイドレシオなスプロケットに変更するのも、Zwift内の設定だけで行うことができます。

また、地味に大きいのが変速時の騒音がなくなること。最近のスマートトレーナーは静寂性が非常に高く、ローラー台自体の騒音よりも変速時の騒音の方が大きいくらいですが、この騒音を0にすることができるため、夜や早朝のローラー台トレーニングをしやすくなります。

Zwift仮想シフトのデメリット

Zwift仮想シフトのデメリットは、

  1. 対応するスマートトレーナーが少ない
  2. 現状Zwiftでしか使えない

という点でしょう。言い換えれば、使える選択肢が非常に少ないということになります。

まずスマートトレーナーは、後述する「Zwift Cogプレインストールモデル」か「Zwift Cogアップグレード対応モデル」のみになります。どのスマートトレーナーでも使えるわけではありません。

次に大きいのが、仮想シフトティングが可能なバーチャルサイクリング、トレーニングアプリが現状ではZwiftだけという点。Zwiftは最近の値上げで契約を見直すユーザーも増えており、Zwiftヘビィユーザー以外は手を出しにくいかもしれません。

Zwift Cog and Clickに対応するスマートトレーナー

Zwift Cog and Clickは、元々、Zwiftが販売するスマートトレーナー「Zwift Hub」の製品パーツでしたが、現在ではWahooスマートトレーナーなどにもZwift Cog and Clickに対応したモデルがラインアップされています。

Zwift Cog and Clickに対応するスマートトレーナーには大きく分けて2種類があります。

  1. Zwift Cog and Clickプレインストールモデル
  2. Zwift Cog and Clickアップグレード対応モデル

詳しい対応スマートトレーナーは、下記のZwift公式ヘルプページをチェックしてみてください。

Zwift Ready Compatibility | Zwift

Zwift Hubなどのプレインストールモデルだけでなく、Wahooのように従来のスマートトレーナーを仮想シフトに対応させるための「Zwiftクリック + Zwiftコグ アップグレードキット」を用意しているケースもあります。アップグレードキットのZwift Cogはシマノのフリーボディに取り付けができるようになっています。ただ、ソフトウェア的な対応が必要になるため、メーカーがZwift Cogに対応するファームウェアをリリースしていないと使うことができません。

Wahooの場合、「KICKR V6, KICKR CORE, KICKR MOVE」を持っている方は、フリーボディにアップグレードキットを取り付けるだけで、仮想シフト環境を構築可能です。

Eliteも見た目はDireto XRそのままの「Direto XR with Zwift Cog and Click」のリリースを2024年冬に控えており、Diretoシリーズ用の「Zwiftクリック + Zwiftコグ アップグレードキット」も発売されるかもしれません。