ローラー台で使われているBluetooth / ANT+の通信規格まとめ

ローラー台でトレーニングをする際には、BluetoothやANT+で走行データを取得します。今回は、ローラー台トレーニングで使われる規格や、バーチャルサイクリングで必要な規格をまとめました。

編集ノート:ROOM ROADERSでは、パートナーリンクからコミッションを得ています。コミッションが記事の意見や、サービスの評価に影響を与えることはありません。

ローラー台で使われているBluetooth / ANT+の通信規格まとめ thumbnail

Bluetooth

CSC

「CYCLING SPEED AND CADENCE」の略で、自転車の速度・ケイデンスを管理する規格です。簡易的に「Bluetooth SPD/CAD」などと表記するメーカーもあります。

この規格が搭載されていれば、ローラー台が計測した速度・ケイデンスをBluetooth経由で送信が可能になります。

CP

「Cycling Power」の略で、自転車でのパワーの値を管理する規格です。簡易的に「Bluetooth PWR」などと表記するメーカーもあります。

主に、パワーメーターで使われる規格ですが、ローラー台でもスマートトレーナーが対応しています。また、一部のローラー台は、スピードとケイデンスから仮想パワー算出して、CPでパワーデータを送信できる場合もあります。

FTMS

「FiTness Machine Service」の略で、Bluetoothでフィットネス機器を制御するための新しいプロトコルです。

アプリなどが算出した負荷値などをFTMSを使ってスマートトレーナーに送信し、それを受けたスマートトレーナーが負荷を自動で調整します。

ANT+

Bicycle Speed and Cadence

自転車の速度とケイデンスのデータを送信するANT+の規格です。スピードだけの場合は「ANT+ SPD」、ケイデンスだけの場合は「ANT+ CAD」、両方に対応している場合は「ANT+ S&C」となります。

Bicycle Power

パワーデータを送信するANT+の規格です。

クランク、ホイール、ペダルから取得したパワーを送信する「ANT+ PWR」、Crank Torque Frequencyという別の方式の場合の「ANT+ CTF」の二つの種類があります。

ローラー台の場合は基本的にはANT+ PWRが使われます。

Fitness Equiptment- Controls

フィットネスマシンを制御する規格です。「ANT+ FE-C」と表記されます。

BluetoothのFTMSと同じく、ローラー台の負荷調整機能をアプリで制御するのに使われます。

バーチャルサイクリングで使われる規格

Bluetooth CSC / ANT+ S&C

バーチャルサイクリングをするのに最低限必要なデータソースがスピードとケイデンスです。

ZwiftやTacx Traning Appなど一部のバーチャルサイクリングアプリは、スピードとケイデンスだけでもプレイ可能です。

ただし、バーチャルサイクリングはパワーをデータソースに走行するため、スピードとケイデンスで得ているのは「仮想パワー」で、正確性に難があります。アプリによって、パワーが少なく出たり、大きく出過ぎたりします。

より正確なバーチャルサイクリングをしたいなら、パワーデータが必要です。

Bluetooth Cycling Power / ANT+ POWER

ローラー台トレーニングで最強のデータソースが「パワー」です。パワーデータがあれば、ほぼ全てのバーチャルサイクリングアプリがプレイ出来ます。

ダイレクトドライブ式のローラー台であれば、ドライブ側にパワーメーターがついていますし、自分のバイクのパワーメーター(クランク式、ペダル式)を使うことも可能です。

3本ローラーや固定ローラーなどの「ホイール・オン・ドライブ」タイプではパワーは計測できない(もしくは仮想パワーになる)ため、正確なパワーが計測できるのはダイレクトドライブ式のローラー台のみなります。

Bluetooth FTMS / ANT+ FE-C

バーチャルサイクリングの走行データとしては使われませんが、自動負荷調整機能付きのスマートトレーナーで、負荷を強弱するために使われるのが「Bluetooth FTMS / ANT+ FE-C」です。

バーチャルサイクリングでは、坂道に入った時の「勾配」や他のライダーの後ろに入った時に風圧が減る「ドラフティング」を再現するために、「Bluetooth FTMS / ANT+ FE-C」が使われます。

つまり、「Bluetooth FTMS / ANT+ FE-C」があるローラー台を使えば、より実走に近い、リアルな走行体験ができるということです。